オートメーション道場

RPAツール「Automation 360」(旧Automation Anywhere A2019) の使い方についてまとめていきます。

AARIの詳細 (Innovation Dayセッションより)

AARIの詳細

先週10月7日にAutomation Anywhere社の本社でInnovation Dayと呼ばれるバーチャルイベントが行われました。英語Onlyでしたが日本時間の昼から配信され、深夜に起きてみる必要はありませんでした。

この記事では、前回の基調講演の記事に続き、新しい概念であるAARI (アーリ)を説明しているセッション「Fast-Forward Your Front-Office Automation with Digital Assistants」のハイライトをまとめてみました!

※注: AARIはいままでProductivity Packといわれていた製品群をAARI for Appsとして含みます。

目次

 

AARIを導入した理由~家庭で使っているようなアシスタントを仕事でも

フロントオフィスでお客様と仕事をしている営業やサポートの業務 (コンタクトセンター、BPO、セールスとマーケティング、店舗、) は複雑、レガシーシステムで業務は膠着し様々な問題が出ているとのこと。

家庭で使うデジタルアシスタントを仕事でも

家庭で使うデジタルアシスタントを仕事でも

家庭ではデジタルアシスタントを使ってスマートに作業をしているが、これを仕事でもできないかというのがAARI (Automation Anywhere Robotic Interface、アーリ) を導入した理由である。AARIは仕事におけるデジタルアシスタントだ。これによりRPAを誰でも使えるようになる。これにより生産性の爆速向上、顧客満足度向上、ROIの爆上げが期待できる。

AARIの概要

AARIの概要

AARIのSalesforceを使ったローン承認デモ~生産性の爆速向上

生産性を上げるAARIのデモ (ローン承認プロセス)では、ひとつのシステム (今回はSalesforce) のみ人間が操作し、ボットがその間にクレジットチェックの実行、複数システムからのデータ取得、そして文書の処理を行う。

生産性を30%上げるシステムの実例

生産性を30%上げるシステムの実例

コールセンターエージェントはSalesforceの画面を中心に操作をする。

サービスエージェント側のシステムの初期画面

サービスエージェント側のシステムの初期画面

いま、サービスエージェントは顧客 (Ritu)と電話で話しており、画面でプロファイルやチャット (音声認識) の内容を見ながら作業をする。顧客はパーソナルローンを申し込みたいという。顧客を同定するための個人情報を聞いて、Salesforceの画面と照合する。

顧客との会話をSalesforceで見ながら作業

顧客との会話をSalesforceで見ながら作業

そして、エージェントがボタンを押すと、ボットが起動。フォームには、すでに複数のシステムから取得したデータが入っている。金額をフォームに入力する。ここで適用した情報は複数のシステムに同時に戻される。

ボタンを押すとボット (AARI) が起動

ボタンを押すとボット (AARI) が起動

クレジットチェックもボタン一つでAARIが実行してくれる。クレジットチェックを行うには通常エージェントは違うシステムにログインしてもう一度同じ情報を入力する必要があります。いま運転免許証のイメージをメールで送ってもらいました。

クレジットチェックもボットが実行する

クレジットチェックもボットが実行する

すると、AARIがメールをトリガーしてIQ Botを使って運転免許証のデータをスキャンしてくれる。その後、AARIのフォームに必要な情報がフィードされる。

契約内容がメールで顧客に送信される

契約内容がメールで顧客に送信される

契約内容がメールで送信される。これでローン審査は終了、電話は終了。

 

クレジットポータルでのレビュープロセスデモ~顧客満足度向上

さて、先ほどのクレジット情報だが、一部疑問があるスコアがあったので、エージェントはチームポータルにエスカレーションをすることにした。先ほどと同じAARIのフォームの内容をチェックしてボタンを押すと、ポータルにエスカレーションされる。

クレジットチェックの内容をエスカレーション

クレジットチェックの内容をエスカレーション

ポータルにエスカレーションされた内容は、スーパーバイザーがチェックをする。

クレジット情報のチームポータル

クレジット情報のチームポータル

スーパーバイザーがチェックする際には詳細画面で確認をする。スーパーバイザーは承認金額を減額して承認する。これで情報がアップデートされ、エージェントがハンドルできるようになる。

スーパーバイザーの詳細画面

スーパーバイザーの詳細画面

今回の処理の構築には、プロセスエディターを使ってワークフローを構築する。A2019のフローと同様にドラッグ&ドロップでワークフローを構築できる。このワークフローではユーザーに選択肢を提示する。ユーザーは選択肢を選択するだけ。ビジネスユーザーにも簡単に操作できる。

今回のプロセスのフロー

今回のプロセスのフロー

この方法を使うと、顧客への応答時間が40-50%改善される。このように人間とボットが並行稼働して助け合うことで、競争力があるデジタルエンタープライズへの道を進むことができる。繰り返し作業はボットに任せて人間はよりクリエイティブな作業に集中することができるようになる。

 

BancolombiaとTaskUsの事例~ROIを爆上げ

ROIを出した例として事例を2つ、BancolombiaとTaskUsの例を見てみよう。

Bancolombiaはコロンビア最大の銀行で、$71Bのアセット、30,000人の従業員、1,000以上の支店がある。初年度は数百ボットを実装、いまは8,000以上のボットを実装して大きな成果を出した。ROIは1300%以上。$19Mの削減ができた。顧客満足度も向上した。

Bancolombiaの事例

Bancolombiaの事例

Bancolombiaはバックオフィスの自動化から取り組みを開始した。しかし、顧客と対峙する従業員を支えるフロントエンドオフィスの自動化が本当に取り組む領域だと認識した。データ処理の複雑性が処理時間を長くしていた。作業を統合して単一のインターフェイスにすることでエラーを減らし顧客満足度を向上した。

 

TaskUsはテキサス州サンアントニオでコンタクトセンターを行っている企業だ。従業員はひとつのアプリだけ使って業務を達成できることはまれであり、通常は複数のアプリを切り替えて使うため、顧客に素早く応答することが難しくなっている。

AARIを使うことで、アプリを統合し、データのルックアップを一か所で行い、顧客データの検証、複数ソースの一括アップデートをAARIのシングルUIで達成できた。

TaskUsの事例

TaskUsの事例

これによりコール当たり20秒の短縮 (コール時間の10%改善) が可能になり、顧客満足度も3.4%改善した。シングルインターフェイスにすることで顧客満足度が向上したという例である。

 

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