RPAは何ができるのか
RPA (アール・ピー・エーと読む)、ロボティック・プロセス・オートメーションを導入することで何ができるようになるのでしょうか?前回の記事で、「RPA = デジタル従業員」ということを書きました。デジタル従業員とは、パソコンの中にいて、従業員と同じように働いてくれます。とはいっても、RPAとは具体的にどういうことができるのでしょうか。まずはざっくりと何ができて何ができないのかを見てみましょう。
できること
- パソコンの操作
- 単純作業の繰り返し
- 決められた判定ロジック (機械学習/AIも含む)による判断
- サボらずに決められたことを実行
できないこと
- パソコン外での作業 (紙の書類の取り扱い、物の操作や移動など)
- 人間のような柔軟な思考による判断、アイディア出し
具体的な業務としては、今までの事例を見てみると以下のようなものがあります。
- 業務システムへのUIを通した入力作業 (SAP、Oracle EBS、汎用機(メインフレーム)のターミナル、Salesforce、OBC、弥生など様々な種類のシステムを扱えます)*1
- Excelデータの加工、Excelへの情報転記、Excelからの情報転記
- Webスクレイピング、インターネット上のページから各種情報を取得して、所定の形式でパソコンに保存する。各種情報には株価、為替、Eコマースの価格情報・コメント、コミュニティサイトの評価・コメント、地図、乗換案内など、公開されている様々な情報が挙げられます。ここはアイディア次第です。
- ウェブサイトのチェック、テスト、日々更新されるファイルのダウンロード、リンク切れチェック。ダウンロードしたファイル (PDFなどもOK) からの情報抜き出し。
- 関係者へのメールのバルク配信
- 入力フォームの対象者へのメール配信、未回答者への自動フォローアップ
- コールセンターでの顧客対応チャットボット
- 紙の伝票やフォームのデジタル化、OCR連携 (紙をPDF/画像にするところは複合機と連携)
- 機械学習のためのデータ収集
などなど。
自動化の種類としては、以下のような種類のものに向いています。
- IT部門に頼むような、時間がかかる大掛かりなシステム自動化・連携ではなく、数日で現場で実装できるレベルの、ちょっとした間をつなぐもの
- 突発事項に対して数日で自動化が必要なもの
- 移行作業など、一時的な自動化が必要なもの
一方、向いていないものとしては以下のものがあります。
- 条件分岐やロジックが複雑で、技術者でない人には難しい場合
- UIの変更が頻繁に起こる、UIの条件分岐がたくさんある (代わりにAPIを呼べるRPAもあります)
- 条件分岐の条件がファジーで人間による判断が求められるもの
うまく使うことで、慢性的な人手不足をうまく解消することもできるでしょう。これからの時代はRPAをうまく使いこなすことが必須です!
*1:ただし、特にSAPやターミナルはUIでの入力に特殊な対応が必要であり、対応しているRPAとそうでないRPAがあります