Automation Anywhere の変数の使い方
Automation Anywhere A2019で作った「Hello World」ボットを少し拡張してみましょう。ユーザからの入力を変数に保持してHello Worldと一緒に表示してみます。変数は、値を一時的に保持しておくためのしくみです。
目次
変数とは
変数は、さまざまな値を一時的に保持しておくための箱です。A2019では、どういう種類の情報を保持するかにより「変数型」を定義します。変数型には以下のものがあります。
基本型
変数型 | 説明 |
---|---|
文字列型 (String) | 英数字、漢字、記号などの文字列、空白文字などを格納します。もっとも一般的な変数型です。 |
数字型 (Number) | 整数や小数などの数値を格納します。小数点以下 15 桁まで格納されます。 |
日時型 (Datetime) | 日付と時刻の値を格納します。 |
Boolean型 | True (真) または False (偽) の値を格納します。 |
任意型 (Any) | Boolean、数字、または文字列のデータ型を格納します。この変数型は、アクションで出力されるデータ型が不明な場合に使用します。 |
構造をもった型
変数型 | 説明 |
---|---|
リスト型 (List) | Boolean型、数字型、または文字列型を格納する配列です。(縦方向の一次元配列) |
レコード型 (Record) | Excelシート、CSV、データベースなどのテーブルから抽出された値の単一行を格納します。(横方向の一次元配列) |
ディクショナリ型 (Dictionary) | Key/Valueペアの形式でデータを格納します。Valueは Boolean型、数字型、または文字列型です。 |
テーブル型 (Table) | 横方向と縦方向のある2次元配列のテーブルに、文字列型または数字型の値を格納します。 |
オブジェクトを表す型
変数型 | 説明 |
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ファイル型 (File) | ファイル パスを格納します。 |
ウィンドウ型 (Window) | ウィンドウ タイトルと URL を格納します。 |
また、変数には「システム変数」と「ユーザ定義変数」という2種類があり、前者は最初から定義されていて特定の値が入っているモノ、主に参照用、後者はユーザが自分で作って自由に使うモノです。
ユーザからの入力を受け付ける「プロンプト」
前に作成した「Hello World」ボットに手を加えてみましょう。左側のアクションパレットの検索ボックスで「プロンプト」と検索してください。以下の画像のように、関連するアクションが4つ表示されます。この中で「値の場合」をドラッグ&ドロップして「開始」と「Message Box」の間に配置します。右側のウィンドウでは、タイトルとメッセージを画像のように入れてください。
そして、右側のウィンドウの一番下の「値を変数に代入」のところで右側の「(x)+」ボタン (変数を作成...)を押します。このボタンから、その場で必要になった変数を新しく作成できます。
すると、変数を作成するダイアログボックスが表示されます。ここでは名前に「Value」と入れて「作成して選択」ボタンをおします。これで、プロンプトの出力が変数Valueに格納されるように指定できました。
最後に、メッセージボックスのアイコンを選択して、表示するメッセージが「Hello World」となっているところを、「$Value$, Hello World」と、一番最初に「$Value$,」を入れます。この「$Value$」が変数Valueの中身を参照するときに記載する書式です。変数名を$で囲みます。テキストボックスの中でも$Value$が変数として認識され強調表示になったのがわかるでしょう。
右上の「保存」ボタンを押せばすべて完了です。
ボットを実行する
さっそく「▶実行」ボタンを押してみましょう。すると、以下のようなダイアログボックスが表示されます。表示されている文字列も先ほど指定した通りの内容です。
テキストボックスに自分の名前を入れて「OK」ボタンを押します。
すると、先頭に名前が入った形でHello Worldが表示されます。
このように変数を使うと、ある場所で値を格納して保持したまま、後で活用することができることがわかりました。これができると、いろいろと複雑なことができるようになります。まずは、変数の基礎をマスターできましたね!
慣れてきたら、ちょっと高度なこちらの記事も参照して、さらに便利に使いましょう。