切り下げた整数の値を得る(負の値の場合は元の値を超えない整数)
Automation Anywhere A2019で変数を使った四則演算以上のことを行うには工夫が必要です。入力値切り下げた整数(負の値の場合は元の値を超えない整数)を計算するには、外部スクリプト (VBScript, JavaScript, Python) を使う方法とBot Storeのパッケージを使う方法があります。
目次
数字型変数 $x$を作成、初期値=-3.141592として、floor($x$)を求める方法を考えます。
VBScriptを使う方法
VBScriptを呼び出す方法を使って入力値のInt関数を計算します。
解法:
- 数字型変数の$x$をあらかじめ作成しておきます。初期値として3を代入します。
- 「VBScript : 開く」アクションを配置します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 保存します。
- 「VBScript: 関数を実行」アクションを配置します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 「実行する関数の名前を入力します」は「Calc」と入力。
- 「関数への引数」には「x - 数字」を設定。
- 「出力を変数に代入」には「prompt-assignment - 文字列」を指定。
- 保存します。
- 「VBScript: 閉じる」アクションを配置して、保存、実行します。
- 「メッセージボックス : メッセージボックス」アクションを配置してアクションの詳細パネルの「表示するメッセージを入力します」に $prompt-assignment$ を指定します。
- 保存して実行します。
結果:
「-4」と表示されます。
JavaScriptを使う方法
JavaScriptを呼び出す方法を使って入力値のFloor関数を計算します。
解法:
- 数字型変数の$x$をあらかじめ作成しておきます。初期値として3を代入します。
- 「JavaScript : 開く」アクションを配置します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 「JavaScript」は「手動インポート」を選択。
- 「ここにスクリプトを入力します」には以下を設定。
function Calc(x){
return Math.floor(x);
} - 保存します。
- 「JavaScript: JavaScriptを実行」アクションを配置します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 「実行する関数の名前を入力します」は「Calc」と入力。
- 「関数への引数」には「x - 数字」を設定。
- 「出力を変数に代入」には「prompt-assignment - 文字列」を指定。
- 保存します。
- 「JavaScript: 閉じる」アクションを配置して、保存、実行します。
- 「メッセージボックス : メッセージボックス」アクションを配置してアクションの詳細パネルの「表示するメッセージを入力します」に $prompt-assignment$ を指定します。
- 保存して実行します。
結果:
「-4」と表示されます。
Pythonを使う方法
Pythonスクリプトを呼び出す方法を使って入力値のFloor関数を計算します。
※ Pythonランタイム環境がインストール済みであることが前提です。
解法:
- 数字型変数の$x$をあらかじめ作成しておきます。初期値として3を代入します。
- 「Pythonスクリプト: 開く」アクションを配置します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 保存します。
- 「Pythonスクリプト: 関数を実行」アクションを配置します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 「実行する関数の名前を入力します」は「Calc」と入力。
- 「関数への引数」には「x - 数字」を設定。
- 「出力を変数に代入」には「prompt-assignment - 文字列」を指定。
- 保存します。
- 「Pythonスクリプト: 閉じる」アクションを配置して、保存、実行します。
- 「メッセージボックス : メッセージボックス」アクションを配置してアクションの詳細パネルの「表示するメッセージを入力します」に $prompt-assignment$ を指定します。
- 保存して実行します。
結果:
「-4」と表示されます。
「数学」パッケージを使う方法
※商用版Enterprise版のみの機能でCommunity Editionでは利用不可。
Bot Store上で配布されている「数学」パッケージをダウンロードしてインストールしておくと、数学関数や数式を簡単に計算することができます。https://mathjs.org のエンジンを使って数式の解析をしています。
「Math : Math expression」アクションの使い方 数式を解析します。
入力:
出力:
|
解法:
- 数字型変数の$x$をあらかじめ作成しておきます。初期値として3を代入します。
- 「Math : Math expression」アクションを挿入します。
- アクションの詳細パネルで以下を指定します。
- 「Expression」で「floor($x.Number:toString$)」を選択。
- 「Result」で$prompt-assignment$ - 文字列を選択。
- 「メッセージボックス : メッセージボックス」アクションを配置してアクションの詳細パネルの「表示するメッセージを入力します」に $prompt-assignment$ を指定します。
- 保存して実行します。
結果:
「-4」と表示されます。
$x.Number:toString$の書式は「型キャスト」を使っています。詳しくは『四則演算や変数の型変換を簡単に行う』を参照してください。「Math expression」フィールドは文字列型なので、変数も文字列型に変換する必要があります。