オートメーション道場

RPAツール「Automation 360」(旧Automation Anywhere A2019) の使い方についてまとめていきます。

IMAGINE Digital Japan 2020 で紹介された事例のハイライト (2)

IMAGINE Digital Japan 2020で紹介された事例のハイライト

前日の記事『IMAGINE Digital Japan 2020 で紹介された事例のハイライト (1)』に引き続き、『IMAGINE Digital Japan 2020』でAutomation Anywhere社から公表された顧客事例のハイライトをお知らせします。

 目次

 

参考: その他のAutomation Anywhere 事例

Automation Anywhere お客様の紹介

導入事例 - RPA総研

IMAGINE Digital Japan 2020とは

「IMAGINE」は元々Automation Anywhere社が年に一度行っていた自社イベントの名前でしたが、今年は新型コロナ禍の中、デジタルイベントとして開催されました。一日目はInnovation Dayと呼ばれており、10/7にアメリカで行われたイベントの日本語版の内容がカバーされていたり、日本オリジナルのコンテンツが入っていたりしています。一日目も二日目も日本の顧客事例がありました。

 

日本の顧客事例のハイライト 2

アテナ~内製化を成功させる「3か月」の過ごし方

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  • 2018年7月に選定、2019年4月からCOE (デジタルレイバーセンター、IT6名、業務メンバーは3カ月ローテーションで3-5名体制) 主導による全社展開。ロボット149体、52業務、年間削減時間4526時間
  • 現場メンバーを3カ月 (1クール)で育てて入れ替えることで育成する - 導入研修、対象業務選定、開発、テスト&リリース、ドキュメント作成、社内報告会、認定
    • 開発に集中できる別室の空間を用意している
    • COEが徹底的に参加メンバーをサポート
    • 進捗報告は週一回、一時間のミーティングで実施。他の部門のメンバーとも交流。開発の視野を広げる、競うことでモチベーション向上。アイディアが盗める
    • ドキュメントはロボットチェックリスト、RPA開発設計書、タスク一覧書を作る。ロボット開発後に作成してもらうのがポイント。達成感。ロボット開発を楽しんでもらうことでモチベーション維持。
    • 報告会では、Before-After、デモ動画、定量/定性効果、感想を発表してもらう。ただし毎回同じ形式だと参加者が減っていく。社内イベント、コンテストなど都度形式を変える。
  • New Normal時代の変化
    • 導入研修以外はZoom & Slackを使う ⇒同じクール以外の人からもサポートが得られるように
    • 進捗報告/報告会もSlack & Zoom。個人の自主性に依存してしまうので、固定メンバーできちんとフォローする。
    • 報告会は双方向型配信、学習コンテンツ、40分以内に厳守。
  • 今後 - AI-OCR、Slack連携、導入研修のオンライン化
  • RPA定着のカギ
    • 三種の神器 - RPA推進組織設置、ユーザー部門をメンバーに組み込む、RPA技術認定制度
    • 3カ月を1クールにする ⇒開発技術者が拡大する
    • RPAは業務改善の一手段でしかないを意識。ツールありきの改善はNG。業務改善のきっかけ

アストラゼネカ~CoE組織を中心としたグローバルでのRPA展開及び日本法人での導入事例

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  • 治験管理システムのマスタ登録にRPA導入 - 準備・確認・訂正工数を削減
  • Excel、外部医療データ、Outlook
  • 効果 : リードタイムが2日から最短翌朝になった。メールのやり取りが年間1000通から40通に激減。フォームの簡素化 (20 --> 9項目)、データの正確性、統一性が担保されるようになった
  • オフショアリソース (インド) を活用するための言語対応、R&D業務への法令対応が苦労した点
  • 3カ月でプロセスを立ち上げることができた。2年前に開始した。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン~ゼロタッチ アプリケーションマネジメントの実現へ向けた取り組み事例

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  • Automation Anywhere導入におけるポイント
    • 持続可能な活動とするため、ボット開発は外注に頼らず内製で行う
    • RPAプロジェクト対象社員=20人
    • Solution Architectサービス活用
    • 仕事の棚卸も同時進行して本当に自動化すべきものを評価
  • 利用シナリオ - システム部での作業の自動化
    • 保守・運用業務の自動化推進 - チケット分析レポート配信、データ整合性チェック、マスター登録自動化
    • 問い合わせ対応の自動化 - アカウント申請業務で、チャットボットによるチケット自動起票、RPAがチケット確認してユーザーに通知メール、アカウント作成。今後はヘルプデスクをチャットボット+RPAに全面移行
    • 集約されたLogから生涯の事前検知も行う予定
  • 実績 - 年間3600時間削減、2020年中に200ボットの開発完了予定 (年間13,000時間削減)

福島銀行~RPAで始める効率化

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  • RPA導入の背景 - 人材不足、時間外業務の削減、他会社でのRPA導入
  • Automation Anywhere (v11) を選定した理由 - UiPath, WinActorと比較。リスト型表示で保守性が高い、価格、スケジュール機能と分析機能がある、ユーザー・ロボットを管理統制可能
  • 仮想環境・リモートデスクトップを利用
  • 現在作業の効率化、BPRはまずはせずに現在の作業を否定しないようにしている。
  • 担当者にヒアリング、操作を一緒にした後、システム部 (6人のうち2人がRPA担当) がロボットを作成している。
  • ショートカット操作で画面操作をする。マクロは改修せずに利用
  • 導入時の苦労 - 他部署との調整、作業時間の確保、対象業務の選定、RPAは仕事を奪うものではないという話。グループポリシー(権限設定)、システムの動作確認、ロボットのエラー停止。
  • 効果
    • 15ロボットで約1000時間削減 (預金照会、投資信託、保険集計、名寄せ等)
    • お互い重複している業務の認識など、属人化している作業の再確認ができた
  • サービス利用者の体制と標準的なスキルは必要、業務フローを理解している担当者が作成したほうがいい。外部委託すると他のシステムと同じになってしまう
  • 今後は各営業店に展開、人材確保、OCRの利用、インターネット環境でのロボット作成(現在はネットワーク分離している)。A2019の導入。

日立物流~RPAを中心としたローコード開発プラットフォームによる生産性改革

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  •  RPAはローコード開発プラットフォーム (LCDP) の一部として考える。システム間のつなぎ役、新システムのモックアップ等を作る。業務分析とローコード開発によるスピーディなサービス提供 (1-3カ月) が可能。
  • 効果を刈り取る時期 (スレッシュホールド) の活動内容によってROIが出るかどうかが決まる。
  • 量的効果だけを見ると効果が出るまで3~4年かかる。質的効果はもっと早く出る (品質向上、スキルレスカの実現、人的リソースの活用)
  • RPAI推進G (コンサルチーム、開発チーム、運用チーム) - 経営戦略本部とIT戦略本部が参画
    • 専任組織を作る (CoE)
    • 専任組織のミッションは経営戦略とリンクさせる
    • 専任組織にはIT部門を参画させる
  • 対象業務の選定 (コンサルチーム)
    • 業務の継続性、業務プロセスの妥当性検証
    • 枝葉ではなく幹の業務を選定
    • As-Isのままの自動化ではなくTo-Beを考える。(業務プロセス見直し)
  • 人材育成
    • 育成する人材のカテゴリーを明確にする (人材育成方針)
    • 認定制度を導入 (モチベーション向上)
    • 問い合わせ窓口を用意し育成支援
  • 2021年3月までに350 --> 1000業務、毎月8000時間の削減
  • RPAの社内プロモーションは動画を使っている
  • プロセスマイニングも使っている

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