Enterprise版で使える管理機能
Automation Anywhere A2019では、無料のCommunity Editionで使える機能は「Attended Bot」と呼ばれる、ひとりの人間が使っているパソコン上で一緒に動く場合に限定されています。有料のEnterprise版では、複数のユーザーが複数のパソコンを使う、それらが無人で自動で動作する (「Unattended Bot」と呼ばれる)、といったRPAがスケールするための機能も備えています。Enterprise版ではいったいどういう機能があるのかについて見ていきましょう。
目次
- Automation Anywhere A2019 製品全体像のおさらい
- ユーザー/ロール/デバイス管理 (Enterprise版のみ)
- 資格情報 (Credential Vault)
- 監査ログ(Enterprise版のみ)
- スケジュール実行(Enterprise版のみ)
- Bot Storeによるパッケージの追加/独自パッケージの開発(Enterprise版のみ)
- Discovery Bot
- Automation Anywhere Robotic Interface
Automation Anywhere A2019 製品全体像のおさらい
Automation Anywhere は通常のRPA製品であれば他のベンダーも含めたいくつかの製品を組み合わせて実現するような幅広い範囲の機能をひとつの製品で実現しているところに特徴の一つがあります。
機能としてあるのは、おおまかに以下のようなものです。
作りやすい仕組み
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実行しやすい仕組み |
管理しやすい仕組み
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高度な機能
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Enterprise版にのみ存在する管理機能等についていくつかの機能をピックアップして説明します。
ユーザー/ロール/デバイス管理 (Enterprise版のみ)
複数のユーザーがRPAを使う場合は、ユーザー毎にアカウントを作ります。ユーザーには「ロール」という権限が与えられ、Control Roomのどの部分にまでアクセスできるかを細かくコントロールすることができます。たとえば、全体管理をするのか実行のみに絞るのか、また経理部が使っているロボットは実行できるが、開発部のロボットは触れない、など。
実行するデバイスについても登録、管理をしておくことで、必要な時に複数のデバイスで同時に実行することでスケールすることができます。
資格情報 (Credential Vault)
RPAでは業務システム等のログオンを必要とするアプリケーションの操作も行う場合があります。その場合、ユーザー名やパスワード等の情報をどう管理するかが問題になります。大抵のRPAソフトウェアではどこかのファイルに平文のままユーザー名とパスワードを保持して利用することが多いですが、そうするとRPAの利用を介してユーザー名とパスワードが漏洩するリスクが生じます。
Automation Anywhereでは資格情報 (Credential Vault)という標準のしくみを使って、Automation Anywhereの管理者であってもユーザー名とパスワードの中身がわからない形でユーザー名とパスワードを保持して利用することが可能です。
この機能はこのページで紹介している中で唯一Community Editionでも利用することができます。
監査ログ(Enterprise版のみ)
複数人、複数組織でRPAを運用していると、誰がいつどういう操作をしたのかが後でわかることが重要になってきます。組織の監査でも、これができないRPAソフトウェアは利用禁止になることがあります。Automation Anywhereでは改変ができない監査ログを保持しておくことができ、後で確認できます。
スケジュール実行(Enterprise版のみ)
ボットを有効活用するには、ボットが空いている時間をなるべく減らすことが重要です。複数の人から指令を受けて特定の時間に開始したり、繰り返し回数を指定したりすることができます。
Bot Storeによるパッケージの追加/独自パッケージの開発(Enterprise版のみ)
よく使われるボットは自分で作らずに、すでに作られたボットをBot Storeと呼ばれるマーケットプレースからダウンロードして使うことが効率化につながります。Bot Storeにないものは、プログラミングスキルがある人が開発することもできます。
Discovery Bot
2020年8月にリリースされた、プロセスディスカバリー/タスクマイニングを行うための機能です。ユーザーのデスクトップで操作をレコーディングして、それを元にタスクを分析、洗い出しして、最終的にはそこから自動的にボットを生成する機能です。
Automation Anywhere Robotic Interface
こちらも2020年8月にリリースされた、人間とロボットがうまく共同作業できるためのしくみのひとつで、Attended Bot/Unattended Botのライセンスがないユーザーでも、ウェブ上の画面から別デバイスで動くロボットに指示を出して結果をウェブに返してくれる仕組みです。Attended Botは自分のデバイスにBot Agentをインストールしてライセンスを持っていることが前提でしたが、そうでない、もっとライトな仕組みが構築できます。