Microsoft Power BI Connectorがリリース
Microsoftのデータ可視化ツールであるPower BI Desktopの8月の更新でAutomation Anywhereが外部データソースとして使えるようになったようです。概要について調べてみました。
目次
- Microsoft Power BI Desktop August 2020 Update
- Power BI DesktopでAutomation Anywhere のデータソースを指定する
- Automation Anywhereから読み込めるデータの種類
- Get Bot Run DataをPower Query上で成形してPower BIに出力する
- Power BI Desktop上でレポートをビジュアルに仕上げる
Microsoft Power BI Desktop August 2020 Update
以下のような記載があります。日本語訳をして引用します。
Power BI/Automation Anywhere connectorにより、ビジネスユーザーがIT部門の助けなしにRPAのデータを会社のPower BIダッシュボードに統合してカスタム統合ソリューションを作成できるようになりました。Power BI connectorにより、Automation Anywhere RPAプラットフォームからオペレーション、戦略メトリクス、ビジネスメトリクスを抜き出すことができます。Automation AnywhereのバージョンはVersion 11とA2019の両方に対応しています。
Automation Anywhereでは、Bot Insightという可視化ソリューションがあり、ボットの稼働状況や、ボットが扱ったビジネスデータを可視化する仕組みがありますが、それをBot Insight APIを経由してPower BIにも出力できる、ということですね!
Power BI DesktopでAutomation Anywhere のデータソースを指定する
ということで、新しいことは早速やってみようということで、Power BI DesktopをインストールしてAutomation Anywhereのデータを読み込ませてみましょう。
あらかじめ、こちらのリンクからインストールしておきます。無料です。
Microsoft Storeからのダウンロードになるので、「入手」をクリックしてダウンロードします。(最近はMicrosoftアカウントを入れなくてもダウンロードできます)
ダウンロードとインストールが完了すると、WindowsスタートメニューからPower BI Desktopが起動できますので、起動してみましょう。
Power BI Desktopの画面で、「データを取得」-「詳細」を選択します。
すると、「データを取得」ダイアログボックスが開きます。
ここで「すべて」から探すか、「その他」を選択するとより探しやすくなります。
「Automation Anywhere (ベータ)」というコネクタが見つかりました!
※表示させるのに何か追加のコンポーネントを展開する必要はありません。最新のPower BI Desktopをインストールすると標準で利用できます。
コネクタを選択すると、以下のようなダイアログが出るので「続行」します。
すると、Automation Anywhere のバージョン選択とControl Room URL指定の画面になります。
Control Room Versionは「10.x/11.x」「A2019」「11.3.5.1 or Higher」の3つの選択肢があるので適切なものを選びましょう。Control Room URLは適切なものを入れましょう。
注: Control Room URLの最後に"/"を入れてしまうと正しく接続できません (Internal Server Error 500となります)。また、入力するユーザーアカウントはBot Insight API に接続できる権限を持っている必要があります。ロールだとAAE_Bot Insight Adminが必要です。たとえばCommunity EditionユーザーがCommunity EditionのControl Room URL "https://community.cloud.automationanywhere.digital/" を入力して接続しようとすると「十分な権限がない」というエラーが出て内容が表示されません。
続いて、ユーザー名とパスワードを入力して「接続」します。
正しい権限を持ったユーザーでログインすると、以下のような画面がPower Queryで表示されます。
Automation Anywhereから読み込めるデータの種類
呼び出せるBot Insight APIは、AAE_Bot Insight Adminが付与されているユーザーの場合は以下の3つです。
- Business Information (ビジネスデータ)
- Business Variable Profile (ビジネスデータ)
- Get Bot Run Data Detail (オペレーションデータ)
AAE_Adminが付与されている場合は、以下も見えます。
- Get Audit Trail Data Detail (オペレーションデータ)
※ユーザーを変更したい場合は、Power Queryの画面から「データソース設定」でAutomation Anywhere Loginのユーザーログイン画面にアクセスできるので、そこで変更可能です。設定を変更したら「プレビューの更新」を押すと表示されている情報も更新されます。
Get Bot Run DataをPower Query上で成形してPower BIに出力する
ここではそれぞれのAPIの詳細には立ち入りませんが、ビジネスデータの表示には準備が必要になるため、ひとまずオペレーションデータを表示させてみたいと思います。ある程度ボットを使っている環境であれば、"Get Bot Run Data" (過去のアクティビティの履歴)はそれなりに溜まっているはずです。
先ほどのPower Query上のテーブルで「Get Bot Run Data Detail」の右隣にあるFunctionがクリックできるようになっているのでクリックします。
すると、「パラメータの入力」ダイアログボックスが表示されます。データ範囲を絞るなど加工をする場合は入力しますが、省略可能ですのでそのまま「OK」します。
すると、Power Query側でBot Insight APIの関数を呼び出し、結果を表示します。結果はListで返ってきました。これをさらにクリックします。
すると、Listの中のRecordの一覧が表示されます。
REST APIで得られたRecordの一覧は、Power Queryの機能である「テーブルへの変換」を使うと最終的にテーブル型データに変換できます。
リボンの「テーブルへの変換」ボタンを押すとダイアログボックスが表示されます。そのまま「OK」します。
すると、「適用したステップ」が「テーブルに変換済み」になり、データの右上に「展開」ボタンが表示されるので、クリックします。
テーブルの列にしたい一覧が表示されます。デフォルトはデータにある列がすべて選択されているのでそのまま「OK]します。
これでList/Recordの内容がテーブルに展開された形のクエリが完成しました。最後にリボンの一番左の「閉じて適用」ボタンを押すと、Power Queryが閉じてデータがPower BIにテーブル形式で読み込まれます。
このようにPower Queryの便利なところは、UI上の操作だけでクエリを構築できることです。また、間違ったらいつでもステップを逆戻りしてやり直しをすることも可能です。
Power BI Desktop上でレポートをビジュアルに仕上げる
さて、Power BIにGet Bot Run Data Detailテーブルが読み込まれました。これからレポートを作成していきます。
「視覚化」パネルから「テーブル」と「円グラフ」を選択してキャンバス上に置きます。それぞれフィールドとして表示したいものを選択します。
円グラフの方は「Cloumn1.status」を凡例と値にセットします。すると、以下のような見栄えになります。これを発行すればイントラネット上のPower BIレポートでAutomation Anywhereの稼働状況がわかるようになります。
こんなかんじで、Bot Insight上で表示していたデータをPower BI上でもいろいろなビジュアルに加工して表示することが可能になりました!