《2020年末版》IQ Botの事例や最新情報
2020年はペーパーレスが進んだ年になりましたが、Automation AnywhereのAI-OCRのようなソリューションである『IQ Bot』も進化しています。最新情報を集めてみました。
目次
IQ Botの最新機能の状況は?
DX SuiteやTegakiなどの国産と比べて、情報が豊富に出ているとはいいがたいのですが、最近はネット上にも情報が出始めていますので、探し方について見てみたいと思います。
Tegakiエンジンは?
2019年6月のIMAGINE TOKYO 2019で発表され、2020年6月にはベータ版の情報が出されていました。2020年秋にかけて正式リリースされるのでは?という情報も流れていました。2020年12月にはIQ BotにTegakiが搭載される前提のセッションがオートメーション・エニウェアからもされていましたが、2020年12月25日現在、まだ正式リリースの発表はないようです。
各OCRエンジンの精度比較は?
IQ Botには以下の5つのエンジンが搭載 (予定も含め)です。これらのエンジンには、日本語対応ができているか、手書きに対応できているか、オンプレなのかクラウドなのか、などいろいろな選択肢がありますが、精度についてはどうなのでしょうか?
パートナーのビッグツリーテクノロジーコンサルティングが2020年10月に検証結果を掲載しているのでリンクと引用をします。
この記事によると、ABBYY、Microsoft Computer Vision、Google Visionの3つについて比較しています。括弧付きは読み込めるが未サポート、"-"は未サポートまたは読み込んだがほぼ精度がでない、という意味になります。
OCRエンジン | 英語 活字 | 英語 手書き | 日本語 活字 | 日本語 手書き |
---|---|---|---|---|
ABBYY | 100% | - | 96.4% | - |
Microsoft Computer Vision | 100% | 99.6% | (78.6%) | - |
Google Vision | 100% | 99.6% | 96.4% | 91.6% |
英語の活字、手書き、日本語の活字くらいまではかなりの高精度が出ていることがわかります。IQ Botは複数のOCRエンジンを搭載しており、それぞれのOCRエンジンを使うのに料金が別途かかるわけでもなく、単純に処理枚数のレンジで課金がされます。
したがって、たとえば二つの異なるエンジンで学習インスタンスを作って同じ書類を読み込み、それぞれ文字認識をさせて、結果が異なる場合だけ人間のチェックに回す、といった自動化が可能になります。(処理枚数は2倍になりますが、レンジが課金が変わる閾値を越えなければ費用は同じになります)
その他の新機能は?
IQ BotはAutomation AnywhereのRPA本体と同様、過去1年間はほぼ毎月更新がされてきました。最新情報を見るには、各リリースのリリースノートの中にあるIQ Botの章を見て行くのが一番早い方法になります。
IQ Botの最新の事例は?
ネット上を検索しても、IQ Botの事例がなかなか見つからかったのですが、2つ紹介します。
システムサポートの請求書の事例
ひとつは最近公開されていたもので、システムサポートというSI・コンサルティングサービスの会社での導入事例がありました。400種類のレイアウトが異なる請求書をIQ Botで処理させるというものです。
英国NHSに対するマイクロソフトとの共同事例
もうひとつは英語で海外のものになりますが、英国のNHS (国民保健サービス)の新型コロナ症例報告書の処理をマイクロソフトのMicrosoft Computer Visionと組んでIQ Botと並行で1つの書類の別々の部分を処理したというものです。
こちらに日本語での解説もありました。
IQ Botについての情報を得るには?
いくつかお勧めのサイトがあるので紹介します。
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技術的な詳細についての情報
AI-OCR導入に際しての心構え、一般論
日本語版が動作している動画