A2019.20リリース情報 (Community Edition、Enterprise Cloud Sandbox)
Automation Anywhere A2019は2019年10月にリリースされてからほぼ毎月、新しいビルドがリリースされ続けています。今回、米国時間4月14日にA2019.20 Community Editionと、今回から始まった有料版のクラウドサンドボックス環境が出ました。A2019.20の内容を見て行きましょう。
目次
- A2019.20のリリースノート情報
- ユーザーインターフェイスのデザイン刷新
- Bot Agentの更新がシームレスに
- エラーアシスタント
- Bot Editorでのファイル検索機能
- レコーダーの機能拡張 (アンカー機能)
- SAP BAPI強化
- Googleパッケージの正式リリース
- 変数作成時の名前提案
- Ifアクションでのウィンドウ名条件追加
- Gitからのリストア
- Botのバージョン履歴の閲覧
- エクスプレスキューの作成
- IPv6対応
- Bot Agentの複数CRのスイッチが簡単に
- 過去のリリース情報を追うには
A2019.20のリリースノート情報
今回は、前回のA2019.19が出てから2カ月といつもより少し時間が経ってのリリースとなりました。また、3月15日にAutomation 360に名前が変わってから初めてのリリースとなっています。今回からクラウドサンドボックス環境のリリースが始まっています。Community Editionとクラウドサンドボックス環境が同時にリリースされて、その後数週間後にEnterprise Editionやオンプレ環境がリリースされるというサイクルが確立されそうです。
リリースノートは以下の場所にあります。が、英語です... 最新の情報はどうやら英語になってしまうようです。
この中から主なものを抜き出してみます。
※ちなみに、利用にはBot Agentの更新が必要で、バージョン20.17.9493を使う必要があります。
ユーザーインターフェイスのデザイン刷新
まず、画面のデザインが全体的に新しくなりました。サインイン画面は以下のように、黄色い画面からグレーの画面に変更になっています。
Control Roomの画面の色も、全体的に黒っぽい色に変化しています。A2019からAutomation 360にブランド変更したことの一環なのかもしれませんが、ヘルプの製品名はまだ"A2019"となっています。
言語の変更は、一度設定してしまえば頻繁に使うものでもないため、右上のアイコンではなく、メニューの中に移動したようです。
Bot Agentの更新がシームレスに
今回、 Bot Agentのバージョンを20.17.9493に更新する必要がありましたが、インストーラを明示的に起動することなくシームレスにアップデートが行われました。
エラーアシスタント
Bot Editorの右上の実行ボタンの左に、⚠が表示されるようになりました。ボット全体でエラーがないときはグレー、エラーがあるときは赤くなり、クリックするとエラー一覧が表示されるようになりました。
Bot Editorでのファイル検索機能
Bot Editorの画面では、レコーディング (記録) とファイル検索の2つのボタンが強調表示されています。
ファイル検索は今回からの新機能で、Control Room内のファイルを名前で検索して、タスクボットの実行など、外部ファイルを呼び出す時にファイルを探せるようにする機能です。見つけたファイルは「新しいタブを開く」で、別タブで内容を確認することができます。
レコーダーの機能拡張 (アンカー機能)
いままでAISenseレコーダーではアンカー機能がありましたが、ユニバーサルレコーダーでもアンカー機能が実装されました。アンカー機能とは、レコーダーで記録した際に、似たようなコントロールがいくつかあって選択が紛らわしい場合、コントロールのラベルに当たるコントロールなどをアンカーとして選択しておくことで、選択精度を上げる機能です。UiPathなどでも実装されています。
具体的には、ユニバーサルレコーダーで記録したアクションの詳細を見てみると、「オブジェクトを再キャプチャ」ボタンの上にAnchorタブが新設されています。
キャプチャしたコントロールに対するアンカーコントロールをキャプチャできるようになっています。
アンカーのキャプチャは、メインとなるコントロールの選択やり直しと共に行うことができます。
「Yes, Select Anchor」を選択すると、アンカー選択に移ります。通常は、メインとなるコントロールのラベルコントロールをアンカーとして選択します。
選択が正常に行われると、アクションの詳細ウィンドウには、アンカーコントロールの画面キャプチャが表示されます。
これにより、コントロールの選択精度を上げることができます。
また、ユニバーサルレコーダーでは他にもブラウザーでのダブルクリックアクションや、Oracle EBSアプリケーションでのドロップダウンリストやコンボボックスの中身の取得なども強化されています。
SAP BAPI強化
SAP BAPI連携機能は、v11と比べると一時的に機能がなくなっていたのですが、A2019.20から復活してv11と同等になりました。他にもSAPの機能で一時的にデグレードしていた部分が復活したようです。
Googleパッケージの正式リリース
Google Workplaceとの連携パッケージが前から同梱されていましたが、まだプレビューの状態だったようです。A2019.20から正式リリースになりました。3月にはGoogleとのパートナーシップも発表されているので、この部分も強化されているのでしょう。
変数作成時の名前提案
ループやCSV処理などのアクションで変数を作る際、既定で変数名を埋めてくれる機能が付きました。以下のアクションでサポートされます。
- レコーダー
- ループ
- ブラウザー
- CSV/TXT
- Eメール
- Excelの高度な操作
- ウィンドウ
- JavaScript/VBScript
Ifアクションでのウィンドウ名条件追加
いままでも「ウィンドウが存在する」「ウィンドウが存在しない」という条件はありましたが、「同じタイトルのウィンドウが存在する」「同じタイトルのウィンドウが存在しない」が追加されました。
Gitからのリストア
Enterprise Sandboxのみ
Gitからのボットリストアに対応しました。
Botのバージョン履歴の閲覧
Enterprise Sandboxのみ
Botの一覧画面で、新しく「バージョン履歴」のメニューがつき、いままでの変更履歴を見られるようになりました。
エクスプレスキューの作成
Enterprise Sandboxのみ
キューの作成を簡単に行うことができるようになりました。
IPv6対応
Enterprise Sandboxのみ
IPv6対応が行われました。
Bot Agentの複数CRのスイッチが簡単に
Enterprise Sandboxのみ
いままではBot Agentを再インストールしないと、そのデバイスでのCRの切り替えができませんでしたが、再インストールなしで切り替えが可能になりました。
過去のリリース情報を追うには
また、以下の記事で過去のリリースノートの概要が見られるようです。
こちらの記事でも、過去のオフィシャルリリースノートが一覧になっています。