オートメーション道場

RPAツール「Automation 360」(旧Automation Anywhere A2019) の使い方についてまとめていきます。

A2019.17リリース情報 (Enterprise Edition)

A2019.17リリース情報 (Community Edition)

Automation Anywhere A2019は2019年10月にリリースされてからほぼ毎月、新しいビルドがリリースされ続けています。今回、11月中旬にA2019.17 Community Editionが登場してから半月、12月頭にオンプレミスや有料版クラウドにもアップデートが来ました。Community Editionとの違いも含めて確認していきます。

前回のA2019.16 (Community Edition) のリリース情報

前回のA2019.16.1 (Enterprise Edition)のリリース情報

A2019.17 (Community Edition) のリリース情報

 

目次

 

A2019.17のリリースノート情報

リリースノートは以下の場所にあります。が、英語です... 最新の情報はどうやら英語になってしまうようです。

docs.automationanywhere.com

 

この中から主なものを抜き出してみます。今回はあまりビジュアルに訴えるものというよりは、見た目は地味なものが多いです...

 

Enterprise独自のアップデート情報

以下のような項目がEnterprise Edition独自の更新情報です。

  • オンプレミスのEnterprise Control Room展開でGoogle Cloud Platformをサポート
  • Enterprise Control RoomのLDAPチャネルバインディングのサポート
  • Bot Agentの実行でAWS WorkSpacesをサポート
  • Enterprise Control RoomのBotリポジトリでチェックアウトのキャンセルが可能に
  • License APIの新しいエンドポイント
  • バイスのログイン資格情報のプログラムでの管理

オンプレミスのEnterprise Control Roomは、Windows Serverについてはオンプレミス、AWS EC2、Azure VMGoogle Compute Engineがサポートされます。Linux系はオンプレミスかAWS EC2のいずれかです。

Bot Agentの実行は、AWS EC2でWindows 10およびWindows Server 2012/2016/2019、AWS WorspacesでWindows 10、Google Compute EngineでWindows Server 2012/2016/2019、Azure VM上でWindows 10 Pro、VMware VM on ESXi 6.7、Oracle Virtual Box 6.1でサポートされます。

 

Bot Agentのアップデートが必須

(Community Editionと共通)

A2019.17にアップされると、Bot Agentの新しいバージョンをインストールする必要があります。 

 

見た目の変更

(Community Editionと共通)

A2019.17でボット編集画面を開くと、ページのアイコンが「Automation Anywhereのロゴ」から「ボット」に変更になり、かつ左側のナビゲーションウィンドウが自動的にたたまれてボット編集画面への「没入」画面になります。

ボット作成の没入画面

ボット作成の没入画面

元のモードに戻ってナビゲーションウィンドウを表示するには、画面左上の「三 Control Room」の「三」をクリックします。

ボット作成画面で没入モードから戻ったところ

ボット作成画面で没入モードから戻ったところ

セッション型変数の登場

(Community Editionと共通)

新しい変数型として「Session」型が登場しています。種類として「Excel basic session (Excelの基本操作)」「MS Excel session (Excelの高度な操作)」「Terminal Emulator session (ターミナルエミュレーター)」の3種類が選べます。以下のシナリオで利用可能です。

  • ターミナルエミュレーターへの接続セッションを共有することで、常に接続しているターミナルへの接続を別々に複数回行わなくてよくなる。
  • 親ボットのExcelセッション (基本/高度) を子ボットと共有することで、親ボットと子ボットで同じExcelファイルに操作をしたい場合に一旦Excelを閉じて開きなおす必要がなくなる。

 

2つのレコーダーの統合と拡張

(Community Editionと共通)

いままで「ユニバーサルレコーダー」と「AISenseレコーダー」の2つが別々にパッケージとして存在していましたが、ひとつに統合され、ボタンも統合されました。レコーダーボタンをクリックすると、2種類のレコーダーを選択する画面が開きます。

レコーダーを選択する画面

レコーダーを選択する画面

また、ChromiumMicrosoft Edge (バージョン79以降)内のタスクの記録ができるようになりました。合わせてウィンドウサイズを変更できるオプションがキャプチャアクションに追加されました。

キャプチャアクションの「Resize window」オプション

キャプチャアクションの「Resize window」オプション

正規表現の利用

(Community Editionと共通)

ファイル名、フォルダ名、ウィンドウタイトル等のワイルドカード (*) が使えた場所で正規表現も使えるようになりました。この辺はv11との互換機能です。

 

DLLパッケージで同じ関数名のオーバーロード

(Community Editionと共通)

関数の実行アクションで、.dllが同じ関数名の複数の関数 (引数の数が違う場合) を持っている場合も、呼び分けることができるようになりました。

 

SAPキャプチャオブジェクトの新しいアクション

(Community Editionと共通)

ツリー、タブ、ラベルコントロール用に新しいアクションが定義されました。

 

文字列変数に複数行のテキストを格納可能に (およびv11互換機能対応)

(Community Editionと共通)

文字列パッケージやファイルに出力、メッセージボックスなどで複数行のテキストを格納できるようになりました。この辺もv11との互換機能です。他にもEWSのOAuth対応や追加のターミナルサポート等、いくつか互換対応があります。

 

日本語、アラビア語、ロシア語文字が変数名に利用可能に

(Community Editionと共通)

変数名に利用できる文字のバリエーションが増えました。

 

(注意点) トリガーが使えるボットの種類の変更

「機能変更」のセクションに、以下のような記載があります。トリガーはイベントを待って操作を実行するものなので、Unattended Bot (無人型ボット)とAttended Bot (有人型ボット)の両方で使えそうなもの、むしろUnattended Bot でのみ使えそうなもののように考えられましたが、ここに来てAttended Botのみでサポートされるという記載が出てきました。Unattended Botでもデバイスへのログイン情報を入れれば動くようですがサポートされない、となっているので注意が必要そうです。

Associate triggers only with attended Bot Runners
Triggers are primarily for users with attended Bot Runner licenses. Associating triggers with unattended Bot Runners is not supported by Automation Anywhere. However, if you associate triggers with unattended Bot Runner users, they must provide the login credentials of the default device.

 

過去のリリース情報を追うには

また、以下の記事で過去のリリースノートの概要が見られるようです。

qiita.com

 

こちらの記事でも、過去のオフィシャルリリースノートが一覧になっています。

qiita.com

 

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